2年目のジンクスは有原航平にとって迷信に過ぎないようだ。昨季の新人王が快調に白星を重ねている。5月17日のソフトバンク戦(北九州)ではプロ2度目の完投勝利で無傷の5勝目。14連勝中だったバンデンハークを止め、首位快走をけん引する強力打線も封じ込めた。「自分の投球をすれば勝ちにつながると思っていた」。自信はさらに深まった。

　開幕直後は思わぬアクシデントに見舞われた。今季初登板から2戦2勝。防御率0.56と幸先よく滑り出したが、4月5日に腰に激痛が走った。「ふとした動きでなった」と、立ち上がれないほどの衝撃が走った。翌日に都内の病院で検査を受け、腰椎捻挫の診断。ギックリ腰だった。

　焦る気持ちを抑え、態勢を整え直した。じっくりと痛みが消えるのを待ち、4月19日に二軍戦で復帰。1週間後、栗山監督の55歳の誕生日だった同26日の楽天戦(札幌ドーム)で戦列復帰。8回3安打1失点と抜群の内容でバースデー白星をプレゼントした。

　今シーズンの目標は1年間先発ローテを守ることだった。予期せぬ離脱は、内に秘める闘志を燃え上がらせるきっかけにもなった。

「1回離脱したので、取り返すつもりでやっています。これからも、どんどん勝っていきたい」

　投手・大谷の白星は伸びていないが、頼もしい右腕がステップアップを続けて先発陣を引っぱり、ドラフトで4球団が競合した真価を見せ始めている。