抜群の滑り出しだった。新人から4年連続開幕投手を務めた則本は、打線の援護も受け開幕3戦3勝。しかも3戦連続2ケタ奪三振だ。開幕からの3戦連続2ケタ奪三振は、1994年の野茂(近鉄)、2010年のダルビッシュ(
日本ハム)に続く史上3人目。3連勝で飾るのは史上初の快挙だった。
チームに勝利をもたらした。「自分が投げる試合は、チームが勝てるようなピッチングをしたい」と口にしてきたが、4月終了まで6試合に登板し、チームは5勝1敗(自身は4勝1敗)。4月上旬には首位にも立ったチームの開幕ダッシュの原動力となり、4月中旬以降、故障者続出で失速してもエースらしくチームを引っ張った。
序盤に失点するケースもあったが、修正して粘り強く試合をつくることで打線の反撃を呼び込んだ。結果的に4月1日の
西武戦(Koboスタ宮城)では140球、同8日の日本ハム戦(同)では136球と球数がかさむ登板が続いた。それでも「信頼し切っている分ね。普通のローテ投手なら、先に代えなきゃというところ」と梨田監督の信頼は揺るがなかった。
5月に入ると好投しながら自身に勝ち星はなし。同18日の
オリックス戦(盛岡)では、4回を投げ自己最悪の14安打10失点と炎上した。痛い黒星も喫したが、チームへの貢献度は絶大。「山あり谷あり。地道に1個1個、チームの勝ちを拾っていきたい」と苦しい時期も覚悟していた右腕が、交流戦以降もチームを支える。