スローガン「超変革」の1年目を象徴するのは
高山俊だろう。開幕からトップバッターに定着し、チームに勢いをつけた。3、4月は打率.272、2本塁打、12打点。その数字以上の働きは、さすがドラフト1位を感じさせるものだった。
金本監督も「将来は長距離バッターで、クリーンアップを打てる打者になってほしい」と高く評価。即戦力としてプロ入りした高山は「使ってもらっている監督の期待に応えたい」と強い意欲を示してきた。
東京六大学リーグ最多安打記録を塗り替える131安打を記録。看板どおりの働きをしてきた新人だったが、プロの水は甘くはなかった。4月26日からの
巨人3連戦(甲子園)で14打数1安打と下降線を描いてしまった。
ここを契機にスタメン落ち、途中交代が相次ぎ、ベンチに控える機会が増えた。春先は少なかった内角攻めをしつこく続けられるなど、対戦チームから徹底マークされるようになったのだ。
しかし、負けず嫌いの性格のルーキーは、休日を返上して打撃練習に取り組むなど復調を目指した。金本監督も「違うタイミングを取るなど、引き出しを増やしていく工夫をしてほしい」とアドバイスを送り続ける。
高山は「何かしら動いていかないと、何も動き出さないと思っている」と積極的に打撃フォームの修正に挑戦。立ちはだかるプロのカベを突き破りながら、レギュラーへの道を探っていく。