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広島 大瀬良大地投手・復活へ前進

 



 何よりマウンドに立った事実が大きい。6月2日、ウエスタン・リーグ阪神戦。鳴尾浜球場の先発マウンドに、大瀬良大地が立った。キャンプ中に右ヒジ痛を発症。影響は右肩にも現れ、長い時間をリハビリに費やした。51試合に登板した2015年の最終戦。10月7日の中日戦(マツダ広島)で敗戦投手になって涙を流して以来の、対外試合のマウンド。春季キャンプではシート打撃にすら登板していない。大瀬良は気持ち良さそうに、大きく振りかぶった。

 2回5安打3失点。最速は139キロと、本調子には程遠い。ただ試合後の表情は明るく「怖さはまったくなかった。対打者の感覚、勝負勘というのはまだまだだけど、ひとまず良かったです」と振り返った。朗報はすぐにQVCマリンにいた一軍首脳陣にも伝わった。報告を受けた畝投手コーチは「焦らせるつもりはない。まずはマウンドに上がったということが大きいんじゃないか。技術的なことも含めて、これから上げていってほしい」と話した。

 今後は数試合の実戦を重ね、結果が出れば一軍昇格となる。一軍は投手陣の層が薄いとはいえ、経験の少ない中村恭、戸田らが健闘を続けている。大瀬良に期待がかかるのは、苦しくなる夏場以降の先発マウンド。先発から中継ぎに配置転換した昨季のように、チームが弱った時期に助けてくれる存在だ。だからこそ、今は焦る必要はない。時間をかけてでも、打者を圧倒するあの直球を取り戻す。
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