期待のドライチは順調にプロ野球人生を歩み始めている。昨年5月に右肩を痛め以後、一度も登板がなくプロ入りした
多和田真三郎。二軍で慎重に調整を行い、5月14日の
日本ハム戦(札幌ドーム)で待望の一軍初先発を遂げた。
デビュー戦こそ、三者連続押し出しなど1回0/3で降板する屈辱を味わったが、試合数を重ねるにつれ徐々に修正し、“らしさ”が発揮できるようになりつつある。その象徴が5試合目の先発となった6月10日の
中日戦だ(
西武プリンス)。初回から自慢の直球で押し、8回3安打無失点8奪三振。勝敗こそつかなかったが、勝利投手に値する内容で、エース番号『18』を与えられている理由を示した。
そして、続く19日の
ヤクルト戦(神宮)では、初回から
山田哲人に本塁打を浴びるなど5回5失点の同点で降板するも、6回表にチームが得点を奪ったことで、うれしい初勝利。
「交代したとき、『またダメか』と思っていたら、栗山さんが『次の回、点取ったら勝ち投手になるぞ』と言って、本当に取ってくれました。感謝です」
それでも、「後がない」と、常に危機感を抱きながら戦っている多和田は、今後の課題として、「軸となっているスライダーを自分が思ったところにしっかり操れるか」を挙げる。生命線である直球には「だいぶ思ったところに投げられてきている」と、手ごたえをつかんでいるだけに、スライダーに磨きをかけ、このままシーズン最後まで先発ローテを守り続けたい。