週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

オリックス 大城滉二内野手・戦い続ける“島人”

 



 琉球パワーで新風を巻き起こす。ドラフト1位の吉田正や同2位の近藤大が故障で離脱する中、上位指名者の中で奮闘しているのが、同3位の大城だ。開幕一軍こそ逃したものの、4月に入り一軍に初昇格。同3日のロッテ戦(京セラドーム)でいきなり先発に抜てきされると、プロ初安打と決勝のホームを踏み、負けが続いていたチームの起爆剤になった。その後も昇格と降格を繰り返しながらも、必死に毎日を過ごしている。

 これまでの野球人生の中で「一番悔しかった」と話す出来事があった。春季キャンプの最終日。それまで一軍メンバーとして生き残り続けてきたが、最後の最後でミスを犯してしまった。練習試合で立て続けに2失策。その後も精彩を欠くプレーを見せたため、試合中にも関わらず隣接する二軍の球場に送られ、そのまま降格。「ミスを取り返そうと思って空回りしてしまった」と落ち込んだ表情を見せたが、二軍で一から鍛え直し、一軍の舞台に帰ってきた。

 沖縄・興南高2年時には甲子園春夏制覇を経験した。それまでメンバーにすら入っていなかった大城を、同校の我喜屋監督はいきなり甲子園で起用。「緊張で最初なんかは絶対飛んできてくれるなと思っていました。打席でも足が震えるんですよね」と振り返ったが、その経験が今も生きているのは間違いない。学生時代は遊撃手一筋だったが、最近は外野にも挑戦中。ユーティリティーなプレーヤーを目指し、島人・大城は戦い続ける。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング