下位に落ち込むチームの課題は、いかに得点力を上げるかにかかっている。三、四、五番のクリーンアップに座った
マウロ・ゴメスは「どの打順になっても攻め方は変わらない」という。
今後に向けて金本監督も「ゴメスが打つのと打たないのでは大違い。打てば勝つといったゲームになる」と巻き返しのポイントとみている。
来日3年目は「少し余裕が出てきた」と臨んだが、フタを開ければ空回り。5月下旬からは本塁打欠乏症の主役のようで、ノーアーチが続くどころか、チャンスに弱い大型扇風機ぶりだった。
6月18日の
ソフトバンク戦(甲子園)では7打席連続三振を喫し、来日初の代打を送られる始末だった。四番・福留が好調だっただけに、その前後を打つゴメス不振は大きく響いた。
救いはゴメスが非常に真面目な外国人だったことだ。体が浮いて、前に突っ込んでいく悪癖に、金本監督、片岡打撃コーチらの直接指導を受け入れ、真剣に練習に取り組んだ。
7月7日の
巨人戦(東京ドーム)で、高木から出場31試合、実に127打席ぶりの本塁打。シーズン前半の終盤もヒットは出るが14本塁打に終わった。
「シーズンには良いときも悪いときもある。これからだ」
厳しい状況に追い込まれた後半戦は、大砲として真価が問われる。ゴメスの本塁打量産がチーム浮上の近道になるのは間違いない。