チームにとって
狩野恵輔の存在は貴重だ。もともと「代打の切り札」のイメージをもつ男だが、今シーズンは左翼の守備に就く機会も増えてきている。
「どちらかというとバットのほうを期待されているけど、自分が試合に出たときには、仕事ができるようにしたい」
8月9日
広島戦(マツダ広島)では「三番・レフト」で、2014年8月29日
ヤクルト戦以来、2年ぶりの猛打賞を記録した。試合は敗れたが、苦手ジョンソンを意識した起用だった。
開幕後は代打での起用が続いていたが、5月1日
DeNA戦(甲子園)では、今季初めてレフトに入った。11年に捕手から外野手登録に変更されて以来、持ち場を求め続ける。
プロ16年目の33歳。度重なる故障のハンデを乗り越えてきた苦労人の狩野は「腰のこともあってできないことが多かったが、もう不安はない」とフル回転を宣言している。
今年2月の春季キャンプは二軍スタートだったが、ベテランらしくきっちりと仕上げてきた。シーズン中も練習中などに黙々と走り込む姿は若手の手本にもなってきた。
特に8月に入ってスタメン出場の機会も多くなってきた。守備の人とはいえないが、代打として、ときには三、五、六、七番の各打順でもそれぞれに勝負強さをみせる。
チームはCS進出圏内を視野に入れての戦いを続ける。狩野は「勝負はここから」と経験を生かして上を狙いにいく。