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ヤクルト 山中浩史投手・“実質”2年目のサブマリン

 



 投手陣が苦しんでいる今季、いまやチームに欠かせない存在なのが山中浩史だ。真中監督に「安定感は一番。うちのエースは山中」と言わしめるサブマリン右腕はここまで6勝10敗(9/6現在)と黒星先行ながら、防御率は3.47。ローテ投手で唯一の3点台と孤軍奮闘ともいえる働きである。

 12年ドラフト6位でソフトバンク入団も、未勝利のまま14年途中にトレードでヤクルトに加入した。15年6月12日の西武戦(西武プリンス)でプロ初勝利を挙げると、そこから6戦6勝の大活躍。“実質2年目”の今季は開幕ローテこそ外れたが、初登板となった4月20日の阪神戦(甲子園)で6回1失点の好投。大地震に苦しむ故郷・熊本に白星を送った。

 本格的に一軍定着して2年目。傾斜が合わないなどの理由で苦手としていた本拠地のマウンドにも慣れてきた。8月6日の阪神戦では6安打1失点で神宮では初の完投勝利を挙げた。地方球場での試合でも、登板前にマウンドからの景色を入念にチェック。「(傾斜や高さを)確認して、イメージをつけるだけ」。セ・リーグで使用する球場に慣れてきたのもアドバンテージだ。

 地面スレスレからボールを放るアンダースロー。夏場に入り、下半身には特に疲れがたまってくるが、食事や睡眠をしっかり取って体重は83キロ前後をキープ。試合中には熊本名産の塩で塩分を摂取している。「自分の持ち味を出すことに集中したい」。浮き上がる直球と変化球のコンビネーションで、打たせて取っていく。
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