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日本ハム 谷元圭介投手・難役をこなした救援スペシャリスト

 



 小さな大投手の奮闘が大逆転優勝の支えとなった。身長167センチの谷元圭介はチームの窮地を救い続けた。セットアッパーながら出番は終盤に限らない。中盤でも、ベンチが勝負どころと見れば、指名される。相手に傾きそうな流れを寸前で食い止め、勝利への流れをつくる。日本ハムのブルペンに欠かすことのできない唯一無二の存在だ。

 今季は代役守護神も務めた。9月にクローザーのマーティンが故障離脱。当初は吉川が代役を務めたが、安定感を欠いた。9月19日のロッテ戦(札幌ドーム)では3年ぶりのセーブを挙げ、同22日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)でも最終9回にバースがピンチをつくったところで登板。気迫あふれる投球で逆転を許さなかった。

 内に秘めた闘志があった。ソフトバンクとの天王山は「あそこまで注目度の高い試合はないので、絶対に投げたかった」と、振り返る。前夜は寝られないほど緊張もしたと言うが、試合ではきっちり仕事を果たした。スクランブル登板でも、勝利の方程式の一員としても結果が残せる強い気持ちが根底にある。

 徹底的に低めを突き、直球は浮き上がるような軌道も見せる。宮西と並んで日本ハムのブルペン陣の大黒柱に成長した。

「いろんな経験をさせてもらったという自負もあります」

 今季はチーム最多タイの58試合に登板。3年連続50試合以上登板も達成した。谷元がいたから、奇跡のリーグ制覇は成し遂げられた。
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