初キャンプだと言ってもいい。2016年ドラフト1位ルーキー・
高橋純平は宮崎で充実の秋を過ごしている。1月の新人合同自主トレ初日、左すねの張りを訴えて離脱すると春季キャンプは別メニュー組のまま過ごした。一軍の佐藤投手コーチともほぼ初対面だった。
「キャッチボールのときから(左足のステップを)できるだけ前へ出すようにやってみろと言われました。ブルペンに入ってコントロールしやすいと実感しました」
マンツーマン指導は10月29日の初日から始まった。見抜かれたのはインステップになるクセ。プロ入り後もコーチから指摘されることはあったものの「なかなか直す余裕はなかった」と修正する道が見つからないままだったが、ダルビッシュ(レンジャーズ)、田中(
ヤンキース)らを指導した名伯楽にトンネルの出口を示された。
もう一点は足下だ。「プレートの位置です。高校時代は一塁側を踏んでいましたが、三塁側を踏んで投げてみろと言われました」と高橋。対角線で右打者内角に狙いをつけやすいように一塁側を踏んでいたが「試合で投げるのは外角のほうが多いだろ?」との言葉で目からうろこが落ちた。佐藤投手コーチも「ボールが速いのはいい。見ていて楽しい」と孫ほどの年齢差がある19歳の素質にぞっこんだ。
2週間が過ぎた11月14日。シート打撃で打者8人に対し、1安打3三振。U-23W杯MVPの真砂から三振を奪うなど、積み上げたものは実を結びつつある。