辻新監督が大きなミッションと考えていることの1つが「遊撃手のレギュラー固定」だ。遊撃は捕手、二塁、中堅とあわせ“センターライン”と言われる守備の中で要とされているポジションの1つ。そこが2013年以来、いまだに固め切れていないのだから、新指揮官にとっては最優先に着手したい課題だ。秋季キャンプでも候補生たちに連日熱血指導を行った。

　その中で好印象を与えたのが外崎修汰だ。馬場内野守備・走塁コーチや監督から教わった捕球時の体の入れ方、向き、足の置き方、タイミングなどは、いずれも初めてのことばかり。「1つを意識すると別の部分ができなくなってしまう。難しい」と本人は苦笑するが、それでも練習を重ねるたびに上達を見せ、同コーチも「徐々にですが、良くなっていることは間違いない」と成長を口にする。同様に、猛特訓を受ける呉念庭との熾烈な定位置争いは非常に注目だ。

　一方、打撃面で辻監督は一目置いている。

「何かをつかんだように見える。小力が強いから本来はコチョコチョっとやるタイプではないけど、チームの中ではどうしてもそれ(小技など)が求められる。そこさえしっかりできれば足もあるし、一番、二番、場合によっては三番もできるタイプだと思う」

　キャンプ中は遊撃に加え、三塁、そして外野守備の練習をする姿もあった。「何かあったとき2ポジション守れれば、これに越したことはない」と指揮官。アピール次第で出場機会が格段に増しそうだ。