『四球王』でまた一つ強打者の証しを増やした。2015年にトリプルスリーを達成した
柳田悠岐が今季、チームトップの100四球を記録した。9月1日の
西武戦[西武プリンス]で右手薬指を骨折し約1カ月離脱しながらの大台到達は、球団10年ぶり。ホークスでは1968年の
野村克也と2006年の
松中信彦という三冠王経験者のみが成し遂げた大打者の証しだ。
昨季のトリプルスリー達成もあり、今季は開幕当初から他球団の徹底マークにあった。遠慮なく内角をえぐる厳しい攻めを続けられ、1970年の
王貞治(
巨人)に並ぶ18試合連続四球の日本記録も開幕から記録。勝負を避けられる場面も多く、特にシーズン前半は打撃の状態がなかなか上がらなかった。さらに終盤の故障離脱もあり打率、本塁打、打点ともに昨季を大きく下回ったが「相手の攻めは関係ない。自分がしょぼいだけです」と、言い訳はしない。
消化不良の1年になったことは間違いないが、四球の多さもあり.446の出塁率で2位以下に大きく水をあけ、2年連続2度目の最高出塁率のタイトルを獲得したことは強打者としての意地だ。
「打席でボールをうまく見極めた結果。出塁率も意識してプレーしていたので、少しはチームに貢献できたかなと思います」
トリプルスリーのようなインパクトこそないが、チームだけでなく12球団最多の100四球で選球眼の良さも証明した柳田が、大打者への道を突き進んでいく。