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DeNA 久保康友投手・逆襲を誓う松坂世代の生き残り

 



 大躍進を遂げたDeNAで、久保康友は微妙な立場になった。球団初のクライマックスシリーズ(CS)進出、第1ステージでは巨人を撃破。穏やかな表情を保ちながら、悔しさを隠そうとはしなかった。

「CSに出られたことはチームとしてプラス。個人的にはその輪の中に入れなかった。残念ですね……」

 今季は自己最少の15試合にとどまり、5勝8敗、防御率3.55。2014年に阪神からFAで加入し、12→8→5と勝ち数を落としてしまった。巨人に移籍した山口がチームトップの11勝。井納や石田、今永と若い力が花を咲かせた。先発の軸から先発ローテーションの当落線上へ。やるべきことは、ベテラン自身が十分に理解している。

「自分は自分なので。来年に向けて、やることは変わらないですね」

 開幕2戦目を託された3月26日の広島戦[マツダ広島]で5回1/3を2失点。好投しながら負け投手になると、3連敗とスタートダッシュに失敗した。初勝利は4月27日の中日戦[横浜]。6月30日の阪神戦[甲子園]で3安打無四球完封勝利を挙げ、チームを救う投球術はさすがだった。

 直球は常時140キロを超え、球界屈指の高速クイックも健在。来季は37歳を迎える。衰えについて「まったくない」と断言し、登板機会さえ与えられれば一定の結果を残せる存在だ。大黒柱の三浦が引退し、後藤と並んでチーム最年長。松坂世代の生き残りでもある右腕は、世代交代の波にも逆らうつもりだ。
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