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オリックス 大城滉二内野手・意識改革で勝負の1年に

 



 ベンチ裏から聞こえる怒鳴り声に緊張が走った。2016年2月28日、春季キャンプ最終日。楽天との練習試合に遊撃で出場したドラ3ルーキーは、続けてボールをはじいた。連続エラーに落ち込み、取り返してやろうという気持ちが見えない大城滉二に、福良監督が下した判断は「即二軍落ち」。「荷物をまとめろ!」と風岡内野守備走塁コーチの声が響き渡る。ルーキーは青ざめた表情でそのまま二軍の球場に移動し、開幕一軍にも名を連ねることはなかった。

「野球人生の中で一番悔しかった」と話すこの“事件“を胸に、猛練習に励んだ大城は4月3日に一軍初昇格。即スタメンで起用されるとプロ初安打を放ち決勝のホームを踏んだ。その後に1度降格したものの、6月28日に故郷の那覇で行われた楽天戦でも先制の犠飛。指笛とともに多くの歓声を浴びた。シーズン後半は一軍に帯同し、64試合に出場。屈辱からの復活を果たした男は誰より強く、そして誰より運を持ち合わせていた。

 2年目の17年は一気にレギュラー取りを目指す。昨季の途中から外野にも挑戦。「試合に出られるなら、どこでもやりたい」と意気込む。オフに参加した台湾のウインター・リーグでは「簡単に三振しない」ことをテーマに意識改革を行い、17試合で打率.314と今季につながる数字を残した。福良監督も「追い込まれてからのバッティングが変わった」と変化を感じ取っているようだ。“島人“大城の2年目の本気に期待だ。
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