恩返しの1年にする。プロ15年目を迎えた
武田久は燃えている。昨季は2年ぶりに一軍マウンドに帰ってきた。2015年に両ヒザを手術。長いリハビリ生活を終え、若い力が台頭するチームの中でガムシャラに本来の居場所を求めた。
「手応えはあるよ。ボールも強く、スライダーも良かったと思う」
再び表舞台で戦える自信をつかんだ。
今年の10月に39歳となるチーム最年長。同い年で切磋琢磨してきた
武田勝は昨年限りでユニフォームを脱いだ。戦友の決断には「寂しい」と振り返るが、闘志は衰えない。過去3度のセーブ王を獲得。06年から7年間は50試合以上登板を果たし、北海道移転後に常勝チームとなった基盤を支えてきたプライドもある。
ここ3年間は故障に苦しんできた。年俸も14年の2億4000万円から15年は1億6000万円減の8000万円。16年は6200万円減の1800万円。そして、今季は300万円減の1500万円(金額はすべて推定)。プロ1年目だった03年と同じ金額となったが、「(契約をしてくれた)球団には感謝しかない」
率直な気持ちが完全復活を期すモチベーションのベースにある。
一軍戦力としての期待がなければ、契約すらままならない立場だと理解する。
「何で恩返しをするかと考えたら、結果で返すしかない」
大ベテランが奮闘する姿は連覇を狙う若手中心のチームも活性化させるはず。野球人生を懸けたカムバック劇を完遂させ、再び大輪の花を咲かせてみせる。