NPBでプレーする野手では最年長。12月に42歳を迎えた
井口資仁だが、若いころと変わったことといえば「この2、3年、髪をカラーし出したことかな」というくらい。「若い人に負けないというところを見せたい。グラウンドに出れば歳は考えたことがない」と気持ちは若々しいままだ。
スタメンに名を連ねる機会は減ったが、代打の切り札としてベンチに控えることは相手に重圧を与える。安打数は2015年の56本から39本に減った一方で、打点は28から34に増えた。打ってくれ、と誰もが願う場面で1本が出る。その勝負強さはチームに欠かせず「17年もそういう立ち位置にいると思うので、しっかり結果を出したい」と意欲を口にした。
球団からも「出たときの力はさすがで、ベンチにいることで若手に与える安心感もある。ベテランの味を遺憾なく発揮してくれている」と高い評価は変わらない。頼れる背番号6は「自分から教えるというよりは聞かれたら答えたり、若手と食事に行ってざっくばらんに話をしている」とさりげない形で好影響をもたらしている。
17年の目標を問われると、自分のことではなく「1年1年、大事な勝負の年になる。チームの勝ちに貢献できる一打を打ちたい」と語った。
広島を昨季のリーグ優勝に導いた同学年の黒田はユニフォームを脱いだ。
「いつまでも、ああいうかっこいい姿を見せられたらいいなと思う」と、背中で引っ張る気概をにじませた。