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広島 新井貴浩内野手・個人よりチームを優先

 



 不惑で迎えるシーズンを前に、新井貴浩は個人の目標は一切口にしない。

「とにかく優勝できれば何でもいい。僕が出ていなくてもいい。打てるだけ打つ。それだけ」

 1月6日に広島市内のジムで行う自主トレを公開。こめかみに血管を浮き上がらせ、顔を真っ赤にしてバーベルを持ち上げた。日本シリーズと優勝旅行でトレーニングは遅れ気味。だが「不安も焦りもある。でも物理的に無理なものは仕方ない」。オーバートレーニングに注意し、例年どおりギリギリまで体を追い込む。

 昨季はチームの25年ぶりの優勝をけん引。4月26日には通算2000安打を放つなど、充実したシーズンを送った。昨季同様のモチベーションを保つことは難しそうだが「それはまったく問題ない。むしろ燃えている。もう1回、ファンの方に喜んでもらいたい。もう1回うれし涙を流させてあげたい。その思いが強くなっている」と強調する。40歳のシーズンも、心が、体を動かしていく。

 チーム最年長として、思うところもある。選手として試合に出たい気持ちは強い。だが一方で「30発、100打点っていうところに近づいていければいいけど、それは僕がバリバリで出続けているということ。それってカープの未来にとってどうなんだろうと思う。新井さん、休んどいてください、くらいがいい」とチーム愛を語る。だが広島は新井の力をまだまだ借りなければならない。燃え尽きるまで走るシーズンが今年も始まる。
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