とにかくケガに泣かされた。昨年1月の新人合同自主トレでは左ふくらはぎを痛め、わずか1日で離脱。春季キャンプでも一軍合流わずか2日で右ワキ腹の張りを訴えて降格した。オープン戦終盤で一軍に復帰し、開幕スタメンを勝ち取るが、4月23日の
ロッテ戦[QVCマリン]で腰を痛め再び二軍へ。8月に一軍の舞台に戻るころには、チームは5位と下位をさまよい、勢いはすっかりなくなっていた。「大事な時期に抜けてしまった」と後悔が募る。
それでも残したインパクトは大きい。阪急時代の1943年、
仁木安以来、73年ぶりに開幕「一番」に抜てき。開幕戦から6試合連続で安打を放ち、
原辰徳(元
巨人)、
佐藤友亮(元
西武)の新人記録に並んだ(ドラフト制後)。ケガから復帰後の8月27日の
楽天戦[koboスタ宮城]では69年の
福本豊以来、47年ぶりとなる球団新人の2打席連発も記録。9月29日の楽天戦[京セラドーム]で放った10号は、球団新人では85年の
熊野輝光以来の2ケタ本塁打だった。一軍滞在約3カ月、出場63試合で、これだけ球史に名を刻んだルーキーもそうはいないだろう。
今季の目標は1年間戦い抜くこと。「143試合出られる体づくりをしたい」と、ウィンター・リーグで訪れた台湾でも、ジムやプールでしっかりトレーニングを積んだ。体には気を使いながらも、ここまで順調にきている。
「自分で自分に期待したい」
2年目のジンクスなど存在しないことを証明する。