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中日 大野雄大投手・譲るつもりはない

 



「自分でなくて良いという思いもあったけど、そうじゃない。譲る気持ちはありません」

 竜党にとって気持ちの良い“前言撤回“をしたのは大野雄大だ。

 昨季終了後から、この話題については「そのとき一番良い投手がやればいい」と意識しない姿勢を貫いていた。気持ちが変わったのは昨年12月。地元・京都で開かれた野球教室の前夜、ともに参加していた波留コーチらと食事に出掛けた。話題はふと開幕投手に。そこで波留コーチから「狙っていかなアカンやろ」とハッパを掛けられた。それまで無意識に考えていたことが、スッと形になった。開幕、投げたい――。

 当の波留コーチは「酔っぱらって調子に乗って言ったのかも。まったく覚えていない」と苦笑いだったが、大野のハートに火を付けたことは間違いない。「狙う」と発言することはプレッシャーになるのも承知。

「シーズンがダメだったら『アイツはそういうことを言っていたのに』となる。それでも自分にプレッシャーをかけたい」

 2年連続開幕投手へ熱い思いを語った。

 ライバルは昨季に最も安定した投球を見せた吉見とすでに開幕投手に立候補している若松になる。それでも一歩も引くつもりはない。

「開幕は特別。チームの顔の人が投げる。ハンパな投球はできない」

 開幕は3.31、敵地・東京ドームでの巨人戦。今はただ、菅野に投げ勝ち、歓喜に包まれるシーンしか浮かばない。
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