すべてが初めてだった昨年とは違う。
高橋由伸監督は就任2年目の今季へ、「勝つこと、日本一になることしか考えていない」と真っすぐに前を見据える。
1月に開かれたスタッフ会議では、「数字が良くなれば、勝てる確率は上がるわけですから」と、具体的な数字で目標を掲げた。各部門のコーチが定めたのは、チーム防御率3点未満、チーム打率.260以上、1試合平均4得点以上、一&二番の出塁率アップ、ビジターの防御率改善(昨季3.60、ホームでは3.31)の5項目。課題は鮮明に見えている。
今オフ、球団は“30億円補強“を敢行。外国人だけでなく、FAで
ソフトバンクから森福、
DeNAから
山口俊、
日本ハムから陽と、史上初めて同制度で一挙に3選手を獲得。特に総額15億円の5年契約を結んだ陽には、「走攻守三拍子そろった選手。ホームランも打てるし、総合力が高い。一、三、五番と軸になる打順に入ってくれれば」と期待を寄せる。
だが、新戦力にもポジションを確約しているわけではない。指揮官は春季キャンプ直前、「ポジションが決まっているのは(ショートの)坂本くらい。ベテランも若い子もレベルの高い競争をして、強いチームを作りたい」と発言。一軍メンバーには2年目捕手の宇佐見に加え、前
楽天の柿沢、前日本ハムの石川ら新加入の若手を続々と抜擢しており、チーム内競争を活性化させ、監督としての初優勝を狙う。