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日本ハム 公文克彦投手・左腕不足解消のキーマン

 


 潜在能力を北の大地で開花させる。公文克彦がアメリカ・アリゾナ州ピオリアで球春を迎えた。日本ハムの一員として2017年シーズンをスタート。球界の盟主、巨人から昨季の日本一チームへプレーする舞台は変わった。

「まずは練習の流れを早く覚えたい。チームの皆さんとも早く打ち解けたい」

 連覇に貢献すべく、異国での奮闘が静かに幕を開けた。

 乾燥する気候に苦しんだ。湿度の高い日本と違い、現地は流した汗もあっという間に蒸発するほど空気が乾いている。

「乾燥していると変化球の曲がりが悪くなると聞いていたけど、本当にそうだった」

 ブルペンでは生命線のスライダーに苦慮。「あまり曲がらない」と当初は困惑していた。

 焦りの気持ちも芽生えたが、ポジティブ思考で切り替えた。「ここでシーズンを過ごすわけではない。日本に帰れば、また変わってくるはず」と深く考え込むことはやめた。日を追うごとに練習の流れも把握し、チームメートとも会話が増えてきた。「だいぶなじめてきた。最初に比べて、かなり落ち着いてできるようになった」

 不安もあった新天地での始動も、周囲とコミュニケーションを取ることで解消。気持ちも前向きになれた。近年は左腕不足が続いているチーム事情もあり、大きなチャンスが目の前に転がっている。「(相手打者の)右も左も関係ない」と場面を問わない活躍を誓う新戦力は、順調に新たな野球人生を再出発させた。
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