3年目を迎えた本格派右腕がブレークの兆しだ。
石川直也の評価が急上昇している。米アリゾナキャンプのメンバーに抜てきされ、現地での紅白戦では2回無失点。最速148キロをマークして落差の大きいフォークで味方打線を手玉に取った。「真っすぐで押せて良かったです」と、はにかむ笑顔とは裏腹の力強い投球で首脳陣に大きなインパクトを与えた。
2015年ドラフト4位で山形中央高から入団。191センチの長身から投げ下ろすスタイルで、高校時代は「庄内のダルビッシュ」の異名を取った。1年目は主に体力強化がメーンで、2年目の昨季はファームで中継ぎとして実戦経験を多く積み、シーズン最終戦では一軍初登板。段階を経て、今季は先発候補の1人として一軍キャンプに抜てきされた。
栗山監督も順調に才能を伸ばす若き右腕にくぎ付けだ。「もっと良くなると思う」と期待する。高いリリースポイントから角度があり、伸びのある真っすぐは打者が狙ってもとらえづらい。先発型として育成途中も「可能性は広がっている。いま行くべきか、待つべきか……」
三振を奪う能力もある。今季も適性がありそうなセットアッパーとして起用するのか、じっくりと先発として熟成させるのか。指揮官にうれしい悩みを抱えさせた。人生初海外となった1次キャンプは不安もある中でアピールに成功。昨季の日本一チームからまた新たな芽が出ようとしている。