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オリックス 吉田正尚外野手・あくなき向上心を胸に

 


 豪快なスイングと美しい放物線、一度見たら誰もが虜になるだろう。吉田正尚が描く本塁打には、思わず見とれてしまう不思議な力が詰まっている。スイングの速度、打球音、飛距離、どれもがケタ違い。身長173センチと小柄ながら、無限のパワーを持ち合わせるプロ2年目の若き大砲にとっての本塁打は「1人で1点を取れる唯一の方法」

「この一打で勝ったという試合を1試合でも多くできたら主役になれる」と話すように、今季も試合の流れを変える、チームの窮地を救う一発で、まだ見ぬタイトル争いに名乗りを挙げる。

 昨季は腰の痛みを抱えながらも63試合に出場し、10本のアーチを架けた。球団の新人としては31年ぶりとなる2ケタ本塁打を放ち、球団史に名を刻んだ。特に9月は6本塁打と大爆発。一軍滞在期間は短かったが“オリックスに吉田正あり”を存分に見せつけた。今季は最大の目標「1年間一軍で戦い抜くこと」を実現できれば、20本、はたまた30本にも手が届く可能性は高い。

 春季キャンプでは日ごとにテーマを決めて、練習に取り組んだ。打てた打席を喜ぶより、打てなかった打席を悔やみ「手応えはない。まだまだ進化しきれていない」。その、あくなき向上心が、吉田正の原動力になっている。

 数字へのこだわりはないというが「打撃の部門で多くタイトルを取れるように」と意気込む。“フルスイング男”の2年目から目が離せない。
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