週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

広島 田中広輔内野手・芽生えた欲を糧に

 


 初タイトルへ田中広輔が照準を合わせたのは、盗塁王だ。

「失敗を減らしたい。そうすれば成功も増えると思う。盗塁王も見えてくると思う」

 2016年は28盗塁でリーグ2位。盗塁王を獲得したヤクルト・山田は30盗塁だった。差はわずか2盗塁。だが大きな差でもある。成功率に目をやると、山田の.938に対して、田中は.596。「山田君は失敗しない」と田中もその差を認めている。

 河田外野守備・走塁コーチは「山田君と広輔では走力に絶対的な差がある。正直、勝つのは至難の業です」と認める。その上でカギを「研究かな」とした。昨季終盤は「やみくもに走っているところがあった。もう1球前、とかもう1球後とか。違うタイミングで走っていることもあったからね」。盗塁王に手が届きそうになった終盤には、焦りも出た。冷静さを失ったところもあったと言う。これまでは具体的な目標を口にすることは少なかったが「ある程度1年できて、徐々に欲が出てきた。打率3割も打ちたいし、30盗塁はしたい」と意気込んだ。

 チームは連覇と33年ぶりの日本一を目指す。田中自身も今季はスケールアップが求められることになる。WBC出場が決まり、その間にも広島のキャンプでは若手がアピールに燃えるが、田中の目標は最低でも「2年連続フルイニング出場」。田中が一番で打線を引っ張れば、チームは活性化するのは間違いない。足にも磨きをかけて、進化していく。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング