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中日 溝脇隼人内野手・大先輩の背中を追って

 


 たくましくなった表情が、そのままプロ5年目の自信に変わる。「試合でしっかり考えながら打席に立てています」。初めて抜てきされた一軍の春季キャンプを完走。溝脇隼人が、日ごとに存在感を増している。沖縄では実戦7試合に出場し、18打数8安打で打率.444、3打点。数字が成長ぶりを物語る。

「こんなにいい状態が続いたことはなかったですね」

 昨秋の教育リーグ、台湾での冬季リーグと試合に出続け、快音は止まらなかった。バットに当てるうまさに加え「しっかり振り切って強い打球を意識しています。感覚をつかんだというか、自然とできるようになってきた」。好調の継続で、地力が上がったことを実感する。

 偉大な先輩も、待ちくたびれただろう。竜の二塁に君臨してきた荒木は同じ熊本県出身。入団から目をかけてもらい「俺の2番をやる」と後継指名もされた。2年目の2014年に一軍デビューを果たしたが、翌15年は二軍暮らし。昨季も6試合にとどまった。

「早く追いついて、追い越せるように」

 その思いは強くなる一方だ。

 2000安打を目前にしたベテランの背中を懸命に追い、一気にその距離を近づけるのが今季。もちろん亀澤らとの戦いに勝つことが最低条件にもなる。バットだけでなく、磨きをかけてきた俊足と堅実さを増した守備。

「まずは開幕一軍に入りたい」

 世代交代のスタートラインから、一気に飛び出してみせる。
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