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ヤクルト 中村悠平捕手・悔しさを持ち続けながら

 


 今季のヤクルトの『春男』は正捕手候補の中村悠平だ。沖縄・浦添キャンプから好調を維持し、オープン戦では規定打席未到達ながら、10試合で25打数10安打、打率.400と結果を残している(3月16日現在)。好調の要因は2つある。まずは、昨季味わった悔しさだ。リーグ優勝を果たした2015年は正捕手としてチームを引っ張り、同年11月の国際大会プレミア12の日本代表にも選出された。しかし昨季は、106試合の出場で打率.187と不振に陥り、ポジションを西田に譲ることも多かった。「昨年の悔しさは一生忘れてはいけない。その思いを持ち続けないと」と、心を動かす原動力となっている。

 もう1つは、打撃フォームの改造だ。オフからバットを下から上に振る「悪い癖」の修正に取りかかっている。ポイントは「引き込んで体の中心で打つこと」だ。昨年までは打つときのトップが定まらず、球を当てるような感覚だったが「低く強い当たりを打とう」とバットを振り込み、改善。「いい形でしっかりと継続できている。打席の中で、意識するかしないかで変わってくる」。まさに“継続は力なり”だ。

 真中監督も正捕手について、「今のところは中村。昨年は投手陣が打たれて、リード面のこともあった。それが打つほうに影響したのかもしれない」と今季に期待する。チームの目玉だった正捕手争いを、まさに春の間に奪取した中村が、ヤクルトを2年ぶりの優勝に導く。
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