衝撃は、記憶に新しい。来日1年目だった昨季。
ダヤン・ビシエドは、開幕から3連発を放ってデビューを飾った。慣れない異国の地ながら「キャンプでしっかり相手投手のことを頭に入れた」と猛勉強が実った。3.4月は9本塁打、23打点で月間MVPを獲得。竜の主砲として、これ以上ないスタートだった。
「寒いのはイヤだからね」と笑うカリビアンは、春の深まりとともにバットも充実してくる。メジャーでは「ミスター・メイ」だと自認していた。確かに、通算打率.254に比べ、5月は.282と好調。特に、ホワイトソックス時代の2012年は.351、8本塁打と大暴れした実績もある。
迎えた日本での2年目。春季キャンプから快音が伴わなかったが、焦りはない。
「だんだん状態は上がってくるものなんだ。空振りをしているわけじゃなく、ボールはとらえられているので問題ない」
その言葉どおり、オープン戦10試合目となった3月14日の
西武戦(メットライフ)で今季初となる2ランを放った。翌日にインフルエンザ感染のためにチームを離れたが、早期回復を誓った。
新外国人の
ゲレーロとともに担う主軸。具体的な数字は掲げないのがポリシーだが、昨季の自分超えをノルマに掲げる。
「成績は昨年よりも今年と上がっていかないとね」
再度のスタートダッシュを予告するように、不敵な笑みを浮かべて言った。
「3月31日を楽しみにしておいてくれ」