開幕を待ち切れないとばかりに、白球を外野席に突き刺した。3月12日の
中日戦。三番・DHで出場した
柳田悠岐が、初回無死一、二塁の好機で、左腕・バルデスの外角直球をとらえた。打球はヤフオクドームの左翼席へ着弾。オープン戦5試合目での待望の1号に「単純にうれしい。いいスイングができた」と、納得の表情を見せた。
今季の“巻き返し”へかける思いが詰まった一発だった。工藤監督は「ああいう形でも本塁打になる選手。ミートとは言わないけど、自分の形を作ろうとしている」と軽く合わせるようなスイングでの一発を評価。「全球フルスイング」が持ち味だった柳田も「(投球の)コースなりに飛んだらいいかなと思う。いい形を作って自信をつけて開幕を迎えたい」と、確実性を上げたスイングで臨むつもりだ。
2015年にトリプルスリーを達成し、昨季は日本球界初の「40本塁打40盗塁」を目標に掲げスタートした。だが、開幕から日本タイ記録の18試合連続四球に象徴されるように徹底マークに遭い3、4月は打率.236、2本塁打と出遅れ。最終的に2年連続となる最高出塁率のタイトルに輝き、3年連続で打率3割を超えたが、18本塁打、23盗塁と本人にとっては不本意な1年だった。1月の自主トレには「(去年が)満足いかない1年やったんで、そぎ落としてやろうと」と、ブレーク前の13年以来となる丸刈り頭でグアムに出発。気合満点のギータが、開幕から暴れまくる。