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日本ハム 公文克彦投手・赤マル急上昇中の新加入左腕

 


 新天地で新たな春が訪れた。巨人から移籍1年目の公文克彦がプロ5年目で初の開幕一軍キップをつかんだ。オープン戦では9試合に登板し、失点したのは1試合のみ。防御率1.13と安定した投球を続け、首脳陣へのアピールに成功。宮西に続く貴重なサウスポーとして豊富なブルペンの一角を奪った。

 突出した個性が花開こうとしている。やや左腕を下げた変則的なフォーム。「左が得意とか右が得意とかはない。どちらも大丈夫です」と話すように、左右に不得手はない。オープン戦でも左打者の被打率は.143で右打者には.071。セオリーの左対左を超越する右打者への強さ、9試合で1死球のみの制球力も大きな武器だ

 昨年オフ、大田とともに巨人から交換トレードでやってきた。古巣では4年間で一軍は通算15試合登板にとどまった。150キロを超える直球を投げるパワーピッチングが特長も表舞台で実力を発揮しきれなかった。日本ハムではキャンプも一軍スタート。「結果がすべて」と目の前の登板機会を必死に抑え、1つずつ信頼を積み重ねていった。性格はおとなしい。優しい人柄で、か細く高い声は初々しさも感じさせるが、マウンドに上がれば強気な投球を披露する。左腕不足解消が喫緊(きっきん)の課題だったチームにとっても頼もしい存在として一気に台頭した。心機一転の25歳のニューフェースが、V2へ向けたスタートダッシュを支える可能性になってくれそうな期待感がある。
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