今年11月に30歳になる
大和にとって、まさしく“挑む”シーズンが幕を開けた。一軍メンバーに滑り込んだスイッチヒッターは着実に変身を遂げている。
開幕となった3月31日の
広島戦[マツダ広島]の9回、左打者として薮田の外角ストレートをたたき、三遊間を抜けるシーズン初安打を放ったのだ。
もともと右打ちの大和は「左で1本出たことで気持ち的にラクになりました」と素直な言葉が出たが、ここからが本当の勝負になる。
昨秋10月に片岡打撃コーチの提案で左打ちに取り組むことになった。中学時代に「遠くに飛ばしてみたかった」と左打席に立った経験はあるが本格的な転向には至らなかった。
それがプロ入り後、中堅の地位になっての挑戦だから大和の覚悟は相当なものだ。今春安芸二軍キャンプでも右の倍以上の時間をかけて振り込んできた。
「初めはイメージがなかったが、とにかく必死に振り込むしかないと思っていましたから」
ソフトバンク復帰の川𥔎宗則の右中間方向に強く弾き返す打ち方、右から左に転向した
巨人・
立岡宗一郎らの例も参考にしてきた。
ただ、両打ちのことばかり話題になるが、オープン戦からミスが目立つチームに大和の守備力は欠かせないピースだろう。
プロ12年目は再び内野手登録でのスタート。「ゲームに出て、新しい世界を見てみたい」と新境地に立った大和は、チームにスパイスを利かす。