40にして惑わず――。今季22年目、9月で40歳になる
荒木雅博には明確な目標がある。昨シーズンまでに積み上げた安打数は1961本。金字塔へのシーズンが始まった。
第一歩は、今季2戦目となった4月1日の
巨人戦[東京ドーム]。7回の4打席目でルーキー・谷岡の直球をコンパクトにとらえて、右前へ運んだ。
「やっと1本出ました」
8打席目での初ヒットに安堵の表情を浮かべた。この前の打席。田口の明らかなボール球のチェンジアップに体が反応し、空振り三振に倒れた。「ちょっと途中、焦っちゃった。40歳近くになっても焦るかな」。いくつになっても慣れることのない緊張感。それを乗り越えることからシーズンは始まる。「これで地に足着けてできるかな。やっぱり勝ちたい。僕も含めてしっかりやっていきたい」と前を向いた。
2000安打は、
中日の生え抜きでは
立浪和義氏(現野球解説者)以来、4人目となる。
「周りが違うだけで、僕は例年と変わりませんよ。特別感は出さなくても出るだろうし」
春季キャンプではじっくりやるために、あえて二軍で過ごした。
“特別感”に左右されることなく、やるべきことを淡々とこなした。すべては最高のスタートを切るためだ。
「できることをしっかりやっていきたい」
長いシーズン、惑うこともあるかもしれない。ただ、それを乗り越える経験値と、精神が背番号2には宿っている。