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オリックス 福良淳一監督・“鬼門”を突破し、21年ぶりの栄冠へ

 


 確かな手応えを感じている。昨季はオープン戦から交流戦、ペナント、二軍とすべて最下位。57勝83敗と大きく負け越し、チームには「負け癖」がついてしまった。今季から選手会長に就任したT-岡田はこう振り返る。

「『あー今日も負けた』みたいに、ひとつの負けに対して軽いと思った」

 敗戦に慣れてしまったチームを変えるべく、福良監督は「勝ち癖」を合言葉にナインを鍛えた。春季キャンプでは実戦を増やし、試合の中でプレーを覚えさせることを重視。とにかく勝利にこだわった結果、オープン戦では3位となり、ナインは勝つ喜びを思い出した。“鬼門”も突破したといえよう。過去2年、低迷の原因のひとつとなったのが、開幕ダッシュの失敗だった。今季は開幕戦からいきなり延長11回の死闘となり、最後はペゲーロに勝ち越し弾を浴び楽天に惜敗。いきなりの3連敗スタートとなったが、舞台をメットライフに変えた4月4日から快進撃を始め、3年ぶりの6連勝。4月13日時点でAクラスに位置し、好スタートを切ったと言っていい。

 先制されても、追いつこうという粘りも今季の特色だ。昨年まではあっさり負けていた試合も、終盤まで相手を苦しめられるようになった。敗戦の後にも指揮官が「粘りは見せられた」と口にすることも多くなり、確実に進化を遂げている。

「だいぶ意識も変わってきた。試合を重ねるたびに個人もチームも成長していってくれたら」

 目指す先は、1996年以来となる21年ぶりの優勝しかない。
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