故障禍は守護神にも及んだ。昨季21セーブを挙げた
クリス・マーティンをクローザーとして開幕したが、右ヒジの張りのため4月11日に出場選手登録を抹消された。左太もも裏肉離れの大谷や右内転筋筋挫傷で離脱していた中田らとともに戦線から消えた。開幕早々に前守護神の
増井浩俊が代役となった。
増井にとっては念願のポジションだ。日本一に輝いた昨季は先発として貢献したが、シーズンの当初はクローザーを務めていた。不振で異例のシーズン中の配置転換を受け入れ、結果を残したが、オフには再度守護神を目指したいと指揮官に直訴。首脳陣も本人の意向を尊重して、まずはセットアッパーを任せ、緊急事態に元のさやに収めた。
増井の守護神復帰ゲームは4月12日の
ソフトバンク戦[札幌ドーム]で訪れた。1安打を浴びたが、308日ぶりの今季初セーブを挙げた。翌13日同戦も2セーブ目をマークしたが、同16日
楽天戦(Koboパーク宮城)は9回に1点リードを守れず降板。チームも痛恨のサヨナラ負けを喫し、大型連敗に直結した。
マーティンは5月上旬に二軍戦で実戦復帰を予定しており、故障者続出のチームも徐々に巻き返しへ態勢を整えつつある。強固なブルペン陣が強みの1つであることは変わらない。現状は接戦のまま終盤に突入する試合展開が少なく、守護神の出番は減っているが、増井やマーティンの実績ある2人のフル回転なくして、逆襲はない。