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西武 増田達至・“天職”をまっとうする右腕

 


 昨年に引き続き、今季も守護神の大役を託されている増田達至。昨季は高橋朋の故障、長期離脱によって途中からの配置転換となったが、今年は開幕から完全に固定。試合の最後を締めくくる大事な任務に専念するのみだ。

 セットアッパーから抑えに転向し、同じ1回でも、心掛ける部分が変わったと話す。「8回だと、後ろに投手がいるので、なるべく自分が最少失点に抑えるとか、走者を出さないということを考えてやっていました。でも、9回に投げるようになって、何人ランナーを出そうが、何点取られようが、最後に勝っていればいい、という開き直りが出てきました」。

 もともと切り替えが非常に早くできる、リリーフ向きの性格だ。そこに、開き直りが加わった。極度のプレッシャーと重責を背負うクローザーは、まさに天職といえよう。4月27日のオリックス戦[京セラドーム]では、味方の失策で初黒星を喫したが、今季も「最後に勝っていればいい」というスタンスをベースに、きっちりと職務を全うし続けている。

「抑えて当たり前」と思われる厳しいポジションだが、やりがいも自覚も一層高まった。目標を「負け数を減らす」に定めたのは、自身が負けなければ、チームの勝利に直結するからだ。今季ここまでは、チームが大勝する試合も多く、登板機会が少ない。その中での調整は難しさもあるかもしれないが、あくまで「任されたときにしっかりと投げるだけ」と淡々。頼もしき守護神は常にマイペースを貫く。
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