シーズン序盤の大きな出来事だった。新人から2年連続で抑えを務め、今季も開幕からクローザーだった山崎康に代わり、新外国人右腕の
パットンが新たに9回を任された。キャンプから抑えの座を競った2人はオープン戦でともに無失点を続けた。
ラミレス監督は昨季までの実績を考慮し、山崎康をクローザーに指名したが、4月13日の
阪神戦[横浜]と14日の
ヤクルト戦[横浜]で救援に失敗すると、すぐに配置転換した。「今年は勝たないといけない年だ」と勝負に徹した末の早めの決断だった。
16日のヤクルト戦[横浜]でパットンは9回を無失点で締めて来日初セーブを挙げた。今季から導入された日産のリリーフカーを使わず、「アメリカでは車はないから。心拍数も上げられるし」とブルペンから走って向かう姿が印象的だった。9回の「ヤスアキ・ジャンプ」を楽しみにするファンには複雑だろうが、速球とスライダーのコンビネーションを軸にする実力は折り紙付き。この光景もすぐに定着するだろう。
18日の
広島戦[マツダ広島]ではつまずいた。1点差の9回に2点を失いサヨナラ負け。「球が高かった」と反省したが「やり返したい」と闘志を示すのも忘れなかった。21日の
中日戦[横浜]でもセーブに失敗したが、球威と自信は失っていない。「自信はある。責任のある場所をやりたくない選手はいない」と豪語するパットンがしばらく抑えを務めることになりそうだ。