分かっていても、とらえられない一級品のスピードボールを操る。来日2年目を迎えた
クリス・マーティンの真っすぐは魅力的だ。本来のチームのスピード王は日本最速165キロを誇る
大谷翔平だが、故障で今シーズンは登板なし。現在コンスタントに投げている選手の中ではセットアッパーを任される長身助っ人がチームNo.1の速球王だ。
大谷よりも10センチ高い身長から投げ下ろすストレートは他球団にとっても脅威の存在となっている。残してきた数字も威力を物語る。昨季は52試合に登板して失点したのがわずか6試合しかなかった。開幕時はセットアッパー、シーズン途中からクローザーを任されて2勝、19ホールド、21セーブ。逆転優勝に大きく貢献した。
直球は常に150キロ台中盤をマークする。入団時に最速は155キロという触れ込みだったが、昨季は158キロも記録した。角度があり、強さもあるボールに打者は詰まらされて凡打を繰り返した。1年目は21試合連続無失点でシーズンを終えたが、最後は故障でポストシーズンには間に合わなかった。
今シーズンも右ヒジ痛で一時的に戦線離脱したが、6月8日現在で11試合に登板して失点は6月3日の
阪神戦[甲子園]のみ。守護神としてスタートしたが、現在はセットアッパーとして勝利の方程式の一角を支える。「プレーしやすい環境を整えてくれているチームのために頑張るよ」と話す献身的な姿勢と、相手を圧倒する剛速球で存在感を発揮していく。