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広島 田中広輔・躍動する斬り込み隊長

 


 開幕から「一番・遊撃」でフルイニング出場を続けているのが、広島のリードオフマン・田中広輔だ。

 アグレッシブで攻撃的なスタイル。6月13日現在で初球打ちの打率は.350をマークしている。「一番大切にしている。序盤の流れをつくることができる」と言う1回の先頭打者の打席では.321のハイアベレージ。いつも最初に田中が打席に立ち、安打を放つ。それが好調の広島を支える一因になっている。

 フルイニング出場は田中の最大のこだわりと言っていい。契約更改の場から、目標を求められた色紙に「フルイニング出場」と書き込んだ。昨季は1年間フルイニングで出場。「しんどい時期もあった」と正直に言う。「まだレギュラーではないと思っているし、試合に出てなんぼの世界。休んでいる間に取られるかもしれないという危機感もある」と語ってきた。 オフは1年間戦える体力作りにも重点を置いて、トレーニングを重ねてきた。

 年明けには今年3月の第4回WBCに追加招集された。「振り込んだり、量をこなせる」と目論んでいたキャンプも途中で抜けざるを得なかった。本大会でも出場機会は限られた。しかし赤のユニフォームに再び袖を通すと、その影響をまったく感じさせなかった。大会期間中も最後まで居残り練習を続け、養い続けた感覚があった。

 球団初の快挙となる遊撃手としての2年連続のフルイニング出場へ、田中はまい進していく。
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