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オリックス 若月健矢・打って守れる大型捕手へ

 


 捕手らしい捕手。若月健矢を評するときによく聞く言葉だ。物おじせず堂々とした姿勢に研究熱心。常に確かな意図を持ったリードで年上の投手陣を引っ張っている。昨季から出番が増え、プロ4年目となる今季は自身初となる開幕マスクをかぶった。若手が増えてきたチームの中でも、成長著しい21歳。勉強の毎日を過ごしている。

 肩やリードには定評があるが、課題は福良監督が「せめて(打率は)身長まではいってほしい」と話す打撃だ。昨季は一時3割以上打っていたこともあったが、今季は6月29日時点で.160と持ち味を出せていない。連日、先発で出場するようになり、打撃以上にまず投手をリードすることで必死なのも事実。しかし、花咲徳栄高時代は高校通算28本塁打を放った長打力も、確実に持ち合わせてはいる。試合の終盤にチャンスで打席がめぐってきても、代打を出されることに若月自身も「悔しい」と感じ「若月が打ってくれるのが一番いい。どうしてもそこが代打になってしまっているから……」と、指揮官も若き正捕手の打力向上に期待を寄せる。

 結果が出ないとシーズン中に大幅に打撃フォームを変更することもあり、現在は高校時代に身につけた元中日落合博満氏をほうふつとさせる「神主打法」を再び練習中。まず目指すは身長と同じ.179。強肩強打でU-18日本代表にも選ばれた高校時代のごとく、打って守れる大型捕手に──。それが若月が生きていく道だ。
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