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広島 會澤翼・打力光る女房役

 


 マスク越しの目は優しく、鋭い。會澤翼広島投手陣を引っ張っている。6月29日時点で正捕手の石原の44試合を上回る54試合に出場。好調なチームを支えてきた。開幕後には石原が受けていた岡田、野村ともバッテリーを組むようになった。昨季の25年ぶりの優勝を「正直悔しい気持ちもあった」と振り返る背番号27が充実のシーズンを過ごしている。

 會澤の一番の売りは打撃。同日現在で打率は.303をマーク。3安打も3度記録し、本塁打も2本放った。三遊間を鋭く破る安打を基本線に、今季は逆方向への打球も伸びる。下位打線につながりが増し、得点力アップを支えている。緒方監督も「自慢の打撃のほうでも貢献してくれて、守備にも良い流れに持っていってくれている」と高評価。石原との併用の中で、それぞれの長所を生かし合っている形だ。

 マスクをかぶれば良き女房役となる。投手が投げたい球、その日一番の球を軸に配球を組み立てる。ジェスチャーも使って体全体でリード。ベンチで投手と話し合い、中心となる球を変えることもある。試合後は決まって石原同様「投手が良い球を投げてくれた。全部の球が良かった」と投手をほめる。一方の投手も「會澤さんがいいリードをしてくれた。思い切って投げ込むだけだった」とコメントする。気配りのあるリードが信頼関係を生んでいる。

「勝ってナンボ」の世界で會澤の健闘が続く。
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