守って打って、
戸柱恭孝がフル稼働している。まだ2年目。本職はともかく、バットでの貢献を誰が予測できただろう。
本拠地・横浜スタジアムでド肝を抜いたのが、6月17日の
オリックス戦。1点を追う6回一死満塁で、吉田の浮いたフォークを見逃さなかった。「みんながつくってくれたチャンス。僕はその勢いに乗せてもらっただけです」。プロ初の4号逆転満塁アーチ。着弾した右翼席から歓声が広がった。
「あれだけミスした僕を使い続けてくれた。野球人生でも思い出深いものになります」
この試合で
ラミレス監督は通算100勝を達成。前日の16日にも新人・黒木にプロ初黒星をつける決勝3ランを放ち、すさまじい勝負強さを見せつけた。
新人だった昨年は124試合に出場。正捕手として信頼を勝ち取った。オフには95キロから約10キロに減量。今年2月のキャンプで左ワキ腹を肉離れしても、開幕に間に合わせる執念を見せた。
「僕としては全試合に出たい。それが果たせないのは悔しいですけどね……」
ここまで62試合に出場し、昨季リーグワーストだった盗塁阻止率(.200)は、同2位の.342まで向上している。一番のサプライズは打撃で、得点圏打率.370と充実。満塁では10打数6安打と跳ね上がっている。打順は主に六番。40打点は筒香と並びチーム2位の成績だ。左打ちの捕手で背番号10。
DeNAだけでなく、日本の「柱」になる日も決して遠くはない。