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日本ハム・マーティン 交錯する激情と冷静の二面性

 

守護神の増井につなぐセットアッパーとして、チームを支える剛腕セットアッパーのマーティン


 今シーズンも安定した成績を残したのが、来日2年目のマーティンだ。現在は8回を任されるセットアッパー。9月12日時点で34試合に登板。1セーブ、23ホールドを挙げている。チームの不調も重なり、52試合に登板した昨季に比べて勝利の方程式の出番が減った。やや寂しい数字なのは致し方ない部分もある。

 常時150キロ中盤の直球を投げ、打者を圧倒するスタイルは来日以来、不変だ。日本一に輝いた昨シーズンは9月上旬に故障離脱。日本シリーズでは戦力になれなかったが、リーグ制覇の大きな原動力になった。今シーズンも開幕直後に右ヒジ痛で戦線離脱したが、すぐに復帰。守護神としてスタートし、故障明けは現在のポジションに君臨する。

 普段の性格は穏やか。軽口をたたいて周囲の笑顔も誘うなど陽気な一面もある。その一方で、いざマウンドに上がれば性格は攻撃的に。闘志をむき出しにし、吠えることも日常茶飯事。エキサイトする外国人投手が苦しむセットポジション時の一時静止ができず、ボークを取られることもしばしば。その瞬間は頭に血が上るが、ほとばしる感情を込めて一段ギアが上がって投げ込むボールは凄まじいものがある。

 下位に低迷する現状では目立ちはしないが、もはやチームに欠かせない存在であることは間違いない。熱くなりすぎるところは玉に瑕だが、203センチの長身右腕がフル回転出来る環境となれば、おのずと結果がついてくるはずだ。
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