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来季の残留へ正念場の中日・バルデス

 

バルデスは前半戦の活躍を再現できるか


 タフなオジサンは、春の象徴だった。1週間で2度の先発もしばしば。

「登板間隔を空けると肩が軽くなってしまうんだ」。中4日での登板を志願するラウル・バルデスは、開幕から9試合連続でクオリティースタート(先発して6回以上を投げて自責点3以下)を達成。主力として期待された大野、吉見らが苦しむ中、屋台骨を支えた。

 ただ、白星に恵まれないことも多々。「不運な男」の背中を押そうと、ネット上では「バルデスをオールスターに」との動きも起きた。ファン投票は先発部門で巨人・菅野に次ぐ2位。監督選抜で初選出され、ナゴヤドームでの1戦目(7月14日)に先発した。「雰囲気を楽しめた」と後半戦へ。弾みをつけたはずだったが、季節の移り変わりとともに雲行きも怪しくなった。

 球宴明け初登板こそ白星を挙げたが、シーズン序盤の安定感はどこへ。8月11日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)では7回で10失点を喫した。「年齢も重ねているし、夏を過ぎてからなかなかね」と森監督。フル回転してきた左腕も、今年で40歳。8月は4試合で22失点を喫して未勝利だった。

 いったん出場選手登録を抹消されてリフレッシュ。最終盤の滑り込み再上昇をうかがう。チームは苦しい状況でも、来季の契約に向けた正念場。もう来日3年目。日本、そしてドラゴンズへの愛着は深まる一方だ。指揮官に「2人分いる感じでローテが組める」と言わしめた使い勝手は貴重。不惑の底力が試されている。

写真=BBM
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