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ロッテ・荻野貴司 1年間走り続けてこそ

 

1年間を大きなケガなく乗り切った荻野


 荻野貴司が本来の輝きを放ち、ダイヤモンドを駆け巡っている。好調の打撃とともに、足もアピール。9月12日のオリックス戦(ZOZOマリン)では、福浦の遊飛で三塁からタッチアップして本塁を陥れ、俊足だけでなく、スキを突く走塁も見せた。

「足、遅いですよ。50メートルは6秒くらい」と謙そんするが、入団時から足を武器にプロの世界で戦ってきた。しかし、故障が多く、年間をフルで戦うことができない。伊東勤監督も「毎年どこかでいなくなる。本当は一番で固定できたらいいんだけど」と、頭を悩ませるほどだった。

 今季は背番号を「0」に変え、心機一転のスタート。不振のため開幕直後の4月6日に最初の二軍落ちを経験し、6月には2度目の登録抹消。悔しさも味わったが、8月1日の昇格後は好調が続く。8月は25試合に出場して打率.299、4本塁打、10打点。「塁に出て足でかき回すのも僕の仕事。それがチームのためになれば」と月間盗塁数も7をマークした。9月に入るとさらに加速し、低迷するチームを必死にけん引している。31歳はベテランとなりつつある中、一皮むけるシーズンとなった。

 今季限りで退任する指揮官も「今年は不調もあったが、ここまでは故障なく乗り切れている。1年を通して元気なコンディションで戦えたら次につながってくる。1年間を通して戦ってこそ、荻野のいい仕事ぶりになる」。その成長と来季以降のさらなる飛躍に太鼓判を押した。

写真=BBM
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