攻守にとどまらず、明るいキャラクターがファンからも愛されている川島
投打に圧倒的な力でリーグVを遂げたチームにあって、その存在は目立たないが、決して欠かすことはできない「万能男」だ。
9月26日の
ロッテ戦(ヤフオクドーム)。二塁を本職とする
川島慶三が、昨年8月以来の外野となる「一番・右翼」で先発出場した。達川ヘッドコーチは「有事に備えての準備。無難にこなしていたよ」と評価。シーズンと比較し細かい選手起用も必要となるクライマックス、日本シリーズの短期決戦へ向けてのオプションを、川島の存在が増やしている。
2014年のシーズン途中に
ヤクルトから移籍したが、ユーティリティー性を重要視する工藤監督が就任した15年からその存在は欠かせないものとなっている。二塁が本職ながら、15年シーズンは10試合に左翼で出場。そのときの古巣・ヤクルトとの日本シリーズでは、勝負強い打撃に加えて度重なる好走塁で日本一に貢献した。
右翼、左翼を守った前述のロッテ戦後には「(15年の)日本シリーズでも(外野守備を)やったし、可能性がある限りプロとして準備をする」と、今回も短期決戦に向けて、首脳陣の起用の幅を増やす強い意気込みを見せた。
バットでは“左キラー”として、チームを日本一に押し上げる。今季もスタメン出場は左投手の先発時がほとんどだが、打率.264を残し、5本塁打をマーク。状況判断に優れた走塁技術に加えて、ムードメーカーの役割も果たしているバイプレーヤーが最強軍団を支える。
写真=BBM