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広島・上本崇司 ムードメークもこなすユーティリティープレイヤー

 

欠かせない存在感を見せた上本崇司


 ついに左翼も守った。9月30日、今季の残りが2試合となった横浜でのDeNA戦。上本崇司がプロ入りしてから初めて左翼の守備に就いた。ピカイチの守備、走塁の幅がまた広がった。守備機会はなかったが、カバーリングなどを無難にこなした。優勝を決めてから二軍で調整。ファームでも左翼の守備に就き、「何があるか分からないので、やれることはやっておきます」と語っていた。

 今季は試合前の守備練習からところ狭しと動き回った。本職の遊撃、二塁に加えて三塁も守り、同じグラブのまま一塁の練習にも加わったこともある。内野の守備練習を終えると、左翼へ移動。チャージや飛球の練習までこなす姿があった。

 初左翼の同日の9月30日には今季初安打を左前に放った。延長10回二死一、二塁からDeNA・田中健二朗の内角直球を、バットを体に巻き付けるようにさばいた。チャンスメークして次打者の坂倉将吾につなぎ、ダメ押し打を呼び込んだ。代走や守備固めでの出場がほとんどで、今季10打席目。少ないチャンスを最後の最後でモノにした。ムードメーカーの役割もこなす上本の安打に、ベンチも総立ちで拍手を送った。

 優勝を決める直前には円陣の声出しで謎かけ。「優勝間近と掛けまして熱気球と解きます。その心は、どちらも、『きたい』がふくらむでしょう」と叫んだ。笑いを誘い、雰囲気を和らげた。ベンチとしても、上本がいる安心感は大きい。短期決戦では雰囲気づくりにも注目だ。

写真=BBM
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