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序盤の出遅れを悔やむオリックス・金田和之/新天地1年目を終えて

 

オリックス加入1年目の今季は34試合に登板した金田。来季は1年間一軍でのフル稼働を誓う


 ミッションはクリアしたといっていいだろう。昨オフ、阪神に移籍した糸井の人的補償として今季、加入。福良淳一監督らが人選するにあたって条件に挙げたのが「戦力に厚みを加えてくれる選手」だった。

 一軍で活躍できる即戦力の人材がほしい――。金田和之は、その期待に応え、新天地で中継ぎとして34試合に登板し、4勝1敗、防御率4.15の成績を残した。

 それでも納得のいくシーズンではなかったという。入団時に掲げた目標は、2014年に記録した自己最多の40試合超え。勝ちパターンにも「入っていきたい」と意気込んでいたが、右手を負傷し、今春キャンプは終盤で離脱した。

 一軍に定着したのは6月中旬から。ビハインド、回またぎ、連投、どんな場面でも落ち着いた投球を見せたが、「満足していない。1年間一軍にいられなかったから」と序盤の出遅れを悔やんだ。

 春季キャンプでは投球フォームについて審判団から「静止していない」と指摘されたこともあった。これまで同様の注意は受けたことがなく、指揮官も「死活問題」と苦言を呈すほど深刻な事態だったが、金田は「あの形は忘れました。今は新しいのに取り組んでいます」と前向きに話す。

 今オフは直球の回転数を上げ、変化球の精度を高めることを課題にしている。オリックス加入時は知り合いが一人もいなかったというが、今ではすっかりチームに馴染んでいる。

 1年間一軍でフル稼働――。今年達成できなかった悔しさを来季こそ晴らしたい。

写真=桜井ひとし
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