圧倒的な飛距離を誇る本塁打はファンに夢も与えた
今季、最大の目標の1つだった4年ぶりのCS出場を果たし、パ・リーグ2位で終えた
西武。その好成績を支えた大きな要因が、若手の台頭だった。中でも、急成長を見せた1人が
山川穂高だ。
プロ4年目のシーズンで、すべての成績でキャリアハイ。開幕一軍を果たしたが序盤は結果が残せず、5月1日に二軍降格し、2カ月弱をファームで過ごした。だが、その期間を見事にターニングポイントにした。
「今日打てなければ、明日はない」を合言葉に、二軍では39試合で打率.323、10本塁打、26打点。7月8日に一軍再昇格してからは、求められる本塁打も含め、「1日1安打」を自らに課し、着実に結果を残し続けた。
その勝負強さが評価され、9月7日の
ロッテ戦(メットライフ)からは四番打者としてチームの主軸を託された。「まだ僕は真の四番ではなく、4番目の打者」と本人は自分の立場を表現したが、
中村剛也、
秋山翔吾に続くチーム3位の23本塁打数をマークし、本塁打は10.52打数で1本。本塁打王に輝いた
デスパイネが13.66打数で1本の計算になるから、山川のすごさは突出している。その活躍から「8月度」「9・10月度」と、連続で月間MVPも受賞した。
78試合、打率.298、61打点という好成績からも、年俸の大幅アップが期待されるが、注目はその上がり幅。今季の推定1600万円を考えれば、倍額は確実だろうが主砲に定着するなど、貢献度の高さからいえば、4500万円でも決して高くはないはず。ただ、一方で球団には「3年活躍して、初めて評価される」という伝統が存在するのも確か。4年ぶりのAクラス、2位でのCS出場にも大きく貢献した新四番への評価はいかに?
写真=BBM