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DeNA・石川雄洋 1000安打を通過点に再浮上/記録への挑戦

 

二塁のポジション争いはし烈だ。田中浩康、柴田に加えて来季からは大和も加入。石川にとっては勝負の1年となるだろう


 本来なら早々にクリアしているはずの記録だった。低迷期からDeNAを支え、不動のものにしてきた二塁の定位置。石川雄洋は現実を受け止め、シンプルに巻き返しへの思いを口にした。

「結局は打てなかった自分が悪い。とにかく来年、どんな形でもやるしかない」。

 2005年にドラフト6巡目で入団し、ベイスターズひと筋の生え抜き。13年間のプロ生活で965安打を積み重ねてきた。「今年中には達成したい」と通算1000安打を初めて視野に入れたのが一昨年のシーズン前。この時点で862安打を放っていた。長く不安を抱えていた右ヒジのクリーニング手術を受け、ペース的にも十分に到達可能だった数字。ここまでの遠回りは想像できなかった。

 強い決意で臨んだ16年はラミレス新監督から一番打者として期待された。ところが、95試合で62安打。右ヒジの状態が思うように上向かず、宮崎敏郎の台頭が重なった。石川自身は「自分の責任なので」と言い訳をしないが、チームとしても若返りへ舵を切り始めた時期。2年目の柴田竜拓も積極起用され、今季は63試合で41安打と一軍に定着した08年以降、自己ワーストの成績に終わった。

 野球ファンの注目を集めたCS、日本シリーズでの出番はなし。オフは都内を中心に自主トレに励む毎日を送っている。ロペス、筒香嘉智、宮崎で組む中軸だけに、小技と走塁が巧みな背番号7は不可欠。「あと35本」は通過点に、再浮上のシーズンにしたい。

写真=井田新輔
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