V奪回に挑む2018年、真っさらな開幕戦のマウンドに立つのは、菅野智之をおいてほかにはいないだろう。日本のエースが、自身4度目の開幕投手を務める可能性は高い。
今年は3月に行われたWBCで侍ジャパンのエースとしてアメリカとの準決勝含む3試合に先発登板。疲労を考慮して開幕戦の先発をM.
マイコラスに譲ったが、初の大役を務めた14年(プロ2年目)から3年連続で開幕投手(いずれも勝利)を任されてきた。「自分の中でこだわりがある」と強い意思を示したこともある開幕戦のマウンド。通算白星も
別所毅彦、
斎藤雅樹の球団最多となる4勝まであと1勝に迫っている。
5年目の今季は17勝5敗、防御率1.59の圧倒的な成績で最多勝、最優秀防御率のタイトルを獲得し、初の沢村賞に輝いた。ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞に加え、
小林誠司との最優秀バッテリー賞などを合わせて「7冠」を達成。名実ともに日本一の投手に上り詰めたが、「今後はさらに周りの期待は大きく、評価の目は厳しくなると思います。これまでどおりコンディション維持に万全を期し、今年以上の成績を残すことができるよう頑張ります」と慢心はない。チームの顔である菅野こそ、開幕投手にふさわしい。
来季は選手会長に就任することも決まっている。オフは
畠世周、
桜井俊貴ら若手投手をハワイ合同自主トレに同行させるなどチームを引っ張る自覚も強まっている。目指すのはリーグ優勝と日本一。さらに進化して、来季に臨む。
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